AI(Claude)が書き、運営者が確認して公開した記事です。分担と確かめたもの →
目次
学校や自治体からのお知らせ、家電の取扱説明書、規約の変更のお知らせ。長い文章をチャットAIに貼って「要約して」と頼むと、数秒で短くまとめてもらえます。ただ、短くするほど、「ただし〜の場合は除きます」のような条件や例外が消えやすくなります。元の文章では「予定」「目安」だったことが、要約では言い切りに変わることもあります。
プロンプトは4本(A〜D)で、全部コピーして使えます。
AI(Claude)が、条件や例外を多く混ぜた見本の文章2本(図書館だよりの休館特集と、加湿器の取扱説明書。各2,800字ほど)と正解の要点表を作り、別の会話のAI(Claude)に4本のプロンプトを順に送って、返ってきた返事を正解表と照らし合わせました。以下では、2本をそれぞれ「図書館だより」「加湿器の説明書」と呼びます。
先に結論: 条件を残したいなら、短さはあきらめて段落番号を付けさせる
図書館だよりと加湿器の説明書で試した結果は、次のとおりでした。
- 3行の要約(A): 条件・例外は、図書館だよりで19件中0件、加湿器の説明書で18件中1件(ほかに一部だけ1件)しか残らなかった。要点も、図書館だよりで12件中7件、加湿器の説明書で13件中8件
- 箇条書きの要点(B): 要点はほぼ全部入ったが、条件・例外は半分も残らなかった(図書館だよりで○3件・△2件、加湿器の説明書で○6件・△3件)。「湿度50〜60%を保つように切り替える」が「50〜60%を保つ」と言い切りに変わった
- 数字と条件を落とさないよう頼んだ要約(C・D): 要点・条件・例外を2本とも全部拾い、言い過ぎも数字の誤りも0件だった。Dで付けさせた段落番号は、74項目すべて合っていた
- 引き換えになったこと: CとDの返事は、元の文章の70〜88%の長さになった
要約を読んで行動を決めるなら、「数字と条件を省かない」「元に無いことは足さない」「根拠の段落番号を付ける」の3つを書いて頼み、自分に関係する項目だけ、段落番号から元の文章に戻って確かめます。3行の要約は「何の話か」をつかむためだけに使います。
このレシピでやること
| 順番 | やること | 使うプロンプト |
|---|---|---|
| 0 | 貼る前に、伏せる情報を消す | なし |
| 1 | 何の話かを短くつかむ | A(3行で要約) |
| 2 | 要点を箇条書きで出してもらう | B(箇条書きで要点) |
| 3 | 数字と条件を落とさずに出してもらう | C(数字と条件を落とさない) |
| 4 | 根拠の段落番号つきで出してもらう | D(元に無いことを書かない・段落番号) |
| 5 | 自分に関係する項目を、元の文章で確かめる | なし |
AとBは、手早く中身を知りたいとき。CとDは、日付や条件を間違えると困るときに使います。毎回4本とも送る必要はありません。
AI(Claude)が作った実物は、全部公開しています。
- 見本の長い文章2本(図書館だよりの休館特集、加湿器の取扱説明書の注意書き)
- 正解の要点表(要点25件、条件・例外37件、書いていないこと14件)
- 送ったプロンプトとAIの返事(8往復・返事は受け取ったまま)
- 答え合わせ
図書館だよりも加湿器の説明書も、図書館・会社・製品・地名まですべて架空です。実在の図書館だよりや取扱説明書を写したものではありません。答え合わせのために、「ただし」で始まる例外、期間の決まった特例、「予定」「目安」「ことがあります」のようなあいまいな言い方を、ふつうの文章より多く混ぜてあります。
返事をした会話には、正解表を見せていません。返事をした会話は Claude Code のサブエージェント(別の会話として動くAI)で、検索や計算の道具を使わず、チャットと同じく文章だけで答えました。8本のメッセージは1つのファイルにまとめて渡し、1本目から順に答えさせています。チャット画面で1本ずつ送った場合や、プロンプトごとに新しい会話で頼んだ場合に同じ返事になるかは確かめていません。
プロンプトは ChatGPT・Claude・Gemini などのチャット画面に貼って使えます。このレシピで実際に送ったのは Claude だけで、ほかのチャットAIでは返事が変わることがあります。
手順0: 貼る前に、伏せる情報を消す
要約してほしい文章に、自分や家族の名前、住所、会員番号、契約番号などが入っていたら、貼る前に消すか「Aさん」「(番号)」のように置き換えます。要約に要るのは中身で、だれの文書かは要りません。
勤務先の文書を要約させるときは、AIの使い方の決まりがあるかを先に確かめます。社外に出していない文書は、決まりが無くても貼らないほうが安全です。
チャットAIを使ったことがなければ、先に生成AIで何ができる?の「AIチャットの始め方」を読んで、画面を開いておきます。
手順1: 何の話かを3行でつかむ(プロンプトA)
次の文章を3行で要約してください。
文章:
(ここに文章を貼る)
かっこの行を消して、文章を貼ります。
2本とも、3行の要約は200字ほど(元の文章の8%)になりました。休館の期間、再開の予定、貸出冊数が増える期間など、文章の骨組みは読み取れます。
その代わり、条件と例外はほとんど残りません。図書館だよりでは、返却期限が4月7日に延びる話に「原則」と付いただけで、どの本が延びないのか(予約が入っている本、雑誌の最新号、12月14日までに借りた本)は書かれませんでした。加湿器の説明書では「給水タンクには水道水だけ」と書かれ、元の文章にある井戸水の例外(水質検査で飲用に適すると確かめたものは使える)が消えました。
3行の要約は、「この文章は自分に関係あるか」を決めるところまでに使います。
手順2: 要点を箇条書きにしてもらう(プロンプトB)
次の文章の要点を、箇条書きでまとめてください。
文章:
(ここに文章を貼る)
2本とも15〜20項目、500〜650字ほどの箇条書きになり、要点は図書館だよりで12件中11件、加湿器の説明書で13件中13件が入りました。ふだん使いなら、この形がいちばん読みやすい長さです。
ただ、条件・例外は半分以上が落ちました。
- 図書館だより: 「休館中に分館で借りた本は、ふだんどおり2週間」「12月14日までに借りた本は延びない」が抜けた。Bの返事だけを読むと、返却期限が4月7日まで延びる本の範囲が、実際より広く見える
- 加湿器の説明書: 「業務に使った場合の保証は6か月」「使えない水による故障は保証期間内でも有料」が抜け、「保証期間は本体1年、ヒーター3年」だけが残った
もう1つ、言い切りに変わった項目が1件ありました。元の文章は「『おまかせ』モードでは、本体の湿度センサーが部屋の湿度をはかり、50〜60%を保つように加湿の強さを切り替えます。ただし、本体に表示される湿度はめやすで、実際の湿度とは±5%ほどの差が出ることがあります」です。Bの返事では「『おまかせ』モードは湿度50〜60%を保つ」になり、ただし書きが消えました。
プロンプトBの返事に、元の文章に無い数字や機能が足されたことはありませんでした。Bで起きたのは、足したことではなく、削ったことで意味が強まるずれです。
手順3: 数字と条件を落とさないよう頼む(プロンプトC)
次の文章の要点を、箇条書きでまとめてください。
- 数字・日付・期間・金額は、省かずに元の文章のとおり書いてください
- 「ただし」「〜の場合は」「〜を除き」のような条件や例外は、それがかかる要点と同じ項目に書いてください
文章:
(ここに文章を貼る)
このプロンプトの要は、3行目の「それがかかる要点と同じ項目に」です。例外が別の項目に離れていると、読む側が組み合わせを取り違えます。Cの返事では、「返却期限は一律で4月7日。ただし、予約が入っている本と雑誌の最新号は2週間」のように、要点と例外が1つの項目に並びました。
2本とも、要点・条件・例外を全部拾い、数字の誤りも0件でした。「再開は4月1日の予定。ただし、4月中旬にずれる可能性がある」「月に1回を目安に」のような言い方も、元の強さのまま残りました。
引き換えに、返事は元の文章の70%の長さ(約2,000字・31項目)になりました。見出しごとに項目がまとまっているので、元の文章より探しやすくはなりますが、「短くまとめる」という意味の要約ではありません。
手順4: 根拠の段落番号を付けてもらう(プロンプトD)
次の文章の要点を、箇条書きでまとめてください。
- 元の文章に書かれていないことは足さないでください。分からないことは推測で埋めないでください
- 「〜の予定」「〜の可能性があります」「〜を目安に」「〜ことがあります」のような言い方は、強めたり弱めたりせず、そのまま残してください
- 数字・日付・期間・金額、条件や例外は、省かずに書いてください
- 段落を上から1、2、3…と数え、各項目の最後に、根拠の段落番号を(段落3)のように付けてください
文章:
(ここに文章を貼る)
Cに2つを足したプロンプトです。
- あいまいな言い方をそのまま残す: 手順2で起きた「保つように切り替える」→「保つ」のような言い切りを防ぐための行です。Dの返事では、言い切りへの変化は2本とも0件でした
- 段落番号: 項目ごとに「(段落17)」のような番号が付きます。図書館だよりの35項目、加湿器の説明書の39項目すべてで、付いた番号の段落にその内容が書かれていました。図書館だよりの「分館には駐車場がありません(段落19)」のように、分館の話の中に混ざった別の段落の内容にも、正しい番号が付きました
段落番号は、文章を空行で区切ったまとまりを上から数えたものです。貼った文章の段落が空行で区切られていないと、AIと自分で数え方がずれます。Webページからコピーすると改行が崩れることがあるので、貼ったあとに空行を確かめます。見出しの行を段落に数えるかどうかもずれやすいので、2本とも見出しを貼らず、本文だけを貼りました。
Dの返事は元の文章の85〜88%の長さで、4本の中でいちばん長くなりました。図書館だよりでは、要点ではない背景(開館から28年、アンケートの声)まで1項目として残っています。
手順5: 自分に関係する項目を、元の文章で確かめる
CやDの返事を全部読み直す必要はありません。次の3種類の項目だけ、段落番号から元の文章に戻って確かめます。
- 自分がこれから行動する項目: 返す日、申し込む日、使う水など
- 数字と日付: 返事の数字が、元の文章の同じ段落にあるか
- 「ただし」「〜の場合は」が付いた項目: 例外の範囲が、元の文章と同じか
答え合わせでは、Python で返事の数字を取り出し、元の文章に同じ数字があるかを機械で確かめました。元の文章に無い数字は、8本の返事のどれにも出てきませんでした。手で確かめるときは、自分に関係する数字だけで十分です。
実際にやった結果: 拾えた数・落ちた数
答え合わせの全体は、答え合わせにあります。数は、正解表と返事を1件ずつ照らして数えました。
| 見たこと | A 3行 | B 箇条書き | C 数字と条件 | D 段落番号つき |
|---|---|---|---|---|
| 図書館だより 要点(12件) | 7 | 11 | 12 | 12 |
| 図書館だより 条件・例外(19件) | 0 | ○3・△2 | 19 | 19 |
| 加湿器の説明書 要点(13件) | 8 | 13 | 13 | 13 |
| 加湿器の説明書 条件・例外(18件) | ○1・△1 | ○6・△3 | 18 | 18 |
| 言い過ぎ(2本の合計) | 0 | 1 | 0 | 0 |
| 数字の誤り(2本の合計) | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 返事の長さ(元の文章に対して) | 8% | 18〜22% | 70% | 85〜88% |
○は中身が全部入ったもの、△は一部だけ入ったもの(例: 返却ポストに入れないものが「CD・DVDなど」だけで、紙芝居と取り寄せた本が抜けた)です。
正解表には「元の文章に書いていないこと」も14件入れておきました(電気代、1時間あたりの加湿量、電子書籍のサービス、再開日を言い切ることなど)。返事に出てきたのは、Bの「湿度50〜60%を保つ」の1件だけでした。
2本の文章と正解表を作ったのも、返事をしたのも Claude です(会話は別)。2本とも条件や例外を、ふつうの文章より多く混ぜて作っています。ほかのチャットAIや、もっと長い本物の文章で同じ数になるとは限りません。
つまずいたこと: 削っただけで、意味が強まった
例外が消えると、元の決まりが広く読める
Bの図書館だよりへの返事は「この期間に借りた本の返却期限は2027年4月7日(予約が入っている本と雑誌の最新号を除く)」でした。間違いではありません。ただ、元の文章の別の段落にある「休館中に分館で借りた本は、ふだんどおり2週間」が抜けているため、休館中に分館で借りた本まで4月7日でよいように読めます。
要約で起きるずれは、足したことより、削ったことで残った文の意味が広がるほうが見つけにくいと分かりました。Dのように段落番号が付いていれば、「返却期限」の項目がどの段落から来たかをたどれます。
「数字と条件を残して」と頼むと、短くならない
CとDでは、条件・例外を全部拾った代わりに、返事が元の文章の70〜88%の長さになりました。条件や例外の多い文章は、削れる部分が少ないためです。
短さが要るときは、Aで全体をつかみ、自分に関係する話題だけを「この文章のうち、返却期限に関係するところを、条件や例外も含めて抜き出してください」のように追加で聞く方法があります。このレシピでは、この聞き方は試していません。
自分で決めること: AIに任せない3つ
| 自分で決めること | 図書館だより・加湿器の説明書で起きたこと |
|---|---|
| どの要約を信じて動くか | 3行の要約では、条件・例外が37件中1件(ほかに一部だけ1件)しか残らなかった |
| 例外が自分に当てはまるか | Bで「分館で借りた本は2週間」が抜け、返却期限が延びる範囲が広く読めた |
| 「目安」「予定」を守るか | Bで「保つように切り替える」が「保つ」に変わった。元の文章を見ないと、目安だと気づけない |
気をつけること
- AIの答えは間違っていることがある: 総務省の白書は、生成AIが事実に基づかない誤った情報をもっともらしく作ることがあり、出力が正しいかを利用者が確かめることが望ましいとしています(令和6年版 情報通信白書「生成AIが抱える課題」)。図書館だよりと加湿器の説明書では数字の誤りは0件でしたが、確かめる手間を省いてよいという結果ではありません
- 安全や契約にかかわる文章は、元の文章が正: 取扱説明書の注意書きや、規約・契約のお知らせは、要約で抜けた1行が事故や損につながります。要約は、元の文章のどこを読めばよいかを探す道具として使います
- 個人情報や社外秘の文章を貼らない: 手順0のとおり、名前や番号は消してから貼ります。会話が学習に使われる設定の場所は、生成AIで何ができる?の「AIチャットの始め方」にまとめています
まとめと次にやること
長い文章をAIに要約してもらうとき、短さと正確さは引き換えになります。3行の要約や箇条書きでは条件・例外が落ち、ただし書きが消えて言い切りに変わることもありました。数字と条件を省かないこと、元に無いことを足さないこと、根拠の段落番号を付けることを書いて頼むと、図書館だよりと加湿器の説明書では全部拾えましたが、長さは元の7〜9割になりました。
- 最近届いたお知らせを1本選び、名前や番号を消して、プロンプトAで何の話かをつかむ
- 自分に関係がありそうなら、プロンプトDで段落番号つきの要点を出し、行動する項目・数字・「ただし」の付いた項目だけを元の文章で確かめる
- 要約をだれかに送る文章に直すときは、AIで文章を校正・言い換えするプロンプトのプロンプトD(直す前と後を比べる)で、意味が変わっていないかを確かめる
- 長い文章ではなく会議のメモから決まったことと担当を取り出すなら、AIで会議メモを整理するプロンプトを使う
「働く」のレシピ
この記事について
この記事でやった人
| やったこと | 誰が |
|---|---|
| 条件や例外を多く混ぜた見本の文章2本(各2,800字ほど)と正解の要点表を作る | AI(Claude) |
| プロンプト4本を書き、文章2本分の8本のメッセージを1つのファイルにまとめて渡す | AI(Claude) |
| プロンプトを受けて要約する(チャットAIの役・正解表は見ていない) | AI(Claude)(別の会話=Claude Code のサブエージェント。検索や計算の道具を使わず文章だけ) |
| 返事を正解表と1件ずつ照らして数え、返事の数字が元の文章にあるかを Python で確かめる | AI(Claude) |
| 記録と記事を書く | AI(Claude) |
| 公開前の目視確認と公開の判断 | 運営者 |
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